「さむかろう」

ソウルの緯度はだいたい仙台とおなじくらいなのだそうだ。 とはいえ、今日は寒すぎた。
息は真っ白、なんだか寒さのせいで頭が痛いくらいなのである。

景福宮の池は、実は凍っている。 しかも、氷上には何かが移動した痕跡がある。 それくらい氷が厚いってことかー?

空は曇り空。 確かに、こんなどんよりした空は冬のソウルにふさわしくもある。

もともと冬は好きな季節であった。 凍てついた空気に肌がぴりっとして頭が覚醒するような朝は、気分がいい。
ただし、限度がある。 

旅先の空気の温度、湿度、におい。街によっていろいろだ。
いろいろな記憶とともに、わたしのあたまの中にはいろいろな街がある。
この日の暑さ寒さは関係ないのだ。

今日、たとえ寒すぎても、この寒さはわたしの街の記憶となって、いつか思い出す日には懐かしくなるだろう。