「しあわせについての一考」

もともとわたしはあまり感情が濃いほうではない。 怒りも悲しみもあまり長く続かないし、よろこびにもたのしみにも、大してインパクトを受けるほうじゃない。 だから、泣きわめくことも滅多にないし、 さらにはうれし泣きなんて、今までの人生でいっかいもな…

「Shakespeare bookstoreとは」

前に書いたことがあるかもしれない。 でも、何度でも書きたい。 そのころまだ20代で、ひとり旅を始めた頃だった。 カルチェラタン界隈の同じような角を幾度も曲がって、 これは道に迷ったのだな と、ぼんやり感じていた。 もっとも、 旅に出たからには、 わ…

「場所を訪ねること」

ハバナ旧市街のある部分はこの国の大切な観光収入を担っているが、 まだほとんどの部分は市民の生活の場であることはまちがいない。 ただ老朽化するにまかせるしかない建物たち、 観光地としての役割を真剣にまかされている建物たち、 それらが混在している…

「こんしゅうの風景」

今週、窓から見た朝の景色たち。 冬を迎えるせいか、 日々、天気がめまぐるしく変わる。 朝、空を見上げて「午後は雨になるのだろうか」 と、思案する。 1日目、青空に傘を持って行かず、 午後、雨に降られ、 2日目、暗く垂れ込む雲を見て、 傘を持って出…

「みじかい」

ほんとは、 自分に才能がないことなんて、ずっと前からわかっているのだ。 そうかい、じゃあ才能ないならどうするよ? 10代の頃は無根拠ナ自信っていうのがあって、 誰もが自分の未来は光り輝いているはずだと信じて疑わない。 それこそまさに若さの力なんだ…

「唐突に思い出した」

ずいぶん前のことなのに、唐突に思い出して、あああああああっと叫びたくなることがある。 フラッシュバックってやつだ。https://www.youtube.com/watch?v=9cDU-RTDgE0&list=PLvSBbnjyvnx8mgzpk-EGcV79O7_oHu3Dx&index=5本来なら『四重人格』というタイトル…

「こればかり」

このところ、仕事ばかりである。 自分で言うのもおこがましいが、けっこうマジメに仕事に取り組んでいる。 おいらがやれることはなんでもやってやれーっ とばかりに引き受けたらこう、なってしまった。 仕事が楽しいのはいいことだ。 あたしもそう思うんだけ…

「わからん2」

ほんとうになんだかんだでいろんなことがあっという間にすぎていく。 ちゃんと地に足をつけて、 しっかり目ひらいて、 ぜんしん研ぎ澄ませていなければ、 ぱぱぱぱぱーっと、 気がつけば、またきせつが変わろうとしている。

「あけました」

この町に来て、2度目の新年を迎えた。 今年は日本からの来客があり、 久しぶりにいろいろな話をしている。 そんな中、彼女はわたしに次はコスタリカへ行けと言う。 それもまたおもしろそうだ、と思いながらベッドに入ったら、 案の定、初夢はコスタリカにな…

「2度目のクリスマスは」

うちの前の通りでは、人々が花火を打ち上げている。 今夜はクリスマス。 わたしにとっては、この街で過ごす2度目のクリスマス。 時間の流れが速いから、もっと目をしっかり見開いて、 周りをしっかり見なければならない。 耳をもっとそばだてて、いろんな音…

「むずかしさ」

こどものころから人間関係や人脈の作り方に問題をずっと抱えてきた自分だが、 ここに来て、身内との関係がぎくしゃくしていることに不安を感じている。 度々、父のことを書いているが、父親という存在は自分たち家族の中で どのようだったのか、忘れられつつ…

「ふしぎな訪問者」

この季節になると、思い出されるのはじぶんの父親のことだ。 もう12年くらい経つ。 父が亡くなる前、 その当時の自分としては精一杯のことをしたつもりなので、 父に対してやり残した感が、ない。 あたしはあのときできる限りのことをやったのだ、 というさ…

「あたまんなか。いしばしをたたかずにわたるの巻」

自分は、いわゆる〈キレ〉やすいほうではないと思っていたのだが、 最近、我ながらこれを疑い始めている。 わたしは、もしかするとキレやすいほうなんじゃないだろうか、 あるいは、 最近あたまのネジが2、3本どっかに飛んで、壊れ始めているんじゃないだ…

「がいこくじん、という人々」

いま、にほんを出て遠い国に住んでいるから、ここでわたしは〈がいこくじん〉である。 そういう立場になる前は、外国人の気持ちを実感として持つことができなかった。たとえば、東京に暮らす外国人の知り合いが、 「『ほらね、あの人は外国人だから、やっぱ…

「おもいだすことなど」

この街に来て1年が過ぎた。 この齢になると毎年感じることだが、365日×24という時間が過ぎるのが速い、 しかも加速している気がする。誰もがそう言う。 だが、 自分に限って言うと、 それは自分に都合のいい言い訳に過ぎないんじゃないか、と。 しばらく旅に…

「またもや阻止されたきぶん」

目下の敵は、この、ストライキである。という話は前にも書いた。 明日はゼネストで交通機関もストップするので、休講せざるを得ない。 ストライキの種類にはいろいろあるが、 交通機関が麻痺すると、郊外から来ている学生にはツライ。 学校への足が確保でき…

「とおくにいると」

ぜんぜんともだちがいないので、ひとりきりでいろいろかんがえる。 いろんなことが思い出されて、なつかしくなった り、もうだめかとおもったりすることもあるが、 なんとかやりくりしているよ。

「わからん」

わからないことは続く。 この国はストライキが多い。 交通機関のストも頻繁にあるが、学生たちもストをする。 国立大学では学費がかからないのに、ストをするのである。 その理由がわからなかった。 だって、 タダで勉強させて貰って、その上何が要求できる…

わからないこと

いまでもわからないことは、いろいろある。 だが、 もっともわからないことは、 生活と旅のちがいだ。 このところ、 といっても、このうちに引っ越したころからだから かれこれ半年くらいだろうか ずっと考えている。ときには ひとに聞いてみることもあるが…

「瀑布」

世界3大瀑布のうち、初めて見たのがこれだ!「Iguazú」 イグアスゥ。「スゥ」にアクセントがある。なかなか見応えがあるのだった。 そして、スピードボート! 悪魔ののど笛と呼ばれる滝が深く切れ込んだ部分に突っ込んで行くのだが、 これにはぜひ!水中めが…

「Llamadas」(呼ぶこと)

この国の人口の黒人が占める割合はわずかに5%にすぎないそうである。 だがしかし、歴史のことがあるのでパレードで太鼓を叩いている人々は、たとえイタリア系でも顔を黒く塗る。 そういうわけで、昨夜のパレードは「llamadas」と言う名前だそうで、 これは…

「よくやけました」

こっちの肉は、霜降りなんてないのである。 絶対的な赤身で、噛めば噛むほど肉の味が出てくる。 残念ながら、わたしはまだ部位の名前がよくわからないから、肉売場でも自力で買えない。 うちにはガス台の下にグリルがあるが、よく使い方がわからん。 いずれ…

「あけました」

みなさま、あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

「いろいろなXMS」

ところ変われば習慣も変わる。 ちょっと控えめでおとなしい感じにみえるこの街の人々が、どこでどんなふうにはじけるのか と、楽しみにしていたのだ。 この部屋に引っ越ししてから、1日に何度も通りを見下ろしている。 なんとなく、好きになってきた。 昔見…

「再会」

いつだったか、わたしはかねとじかんをはかりにかけて、 果たしてどちらがだいじなのか、自分に問うてみたのである。 それは、やっぱり、自分自身の人生なのだから、かねよりもじかんを取るべきなのだ、 だって、 どんなにうれしいことがあっても、 どんなに…

「モノについて」

この町の人たちは、モノを大事にする。 ちょっと壊れたくらいでは捨てたりしないし、ましてや買い換えたりなどしない。 昔、うちの近所にもあった電気屋みたいに、ちゃんと修理屋がいて、直してまた使っている。 おそらく、なんでもモノそのものの値段が高い…

「なぜか」

どういうわけか、なかなか夏にならないのである。 いつ夏になるのか聞いてみると、暑さ寒さも彼岸まで、みたいなことを言っていた。 夏至が過ぎると本格的な夏になるという。 最近、 週に数回、海岸(ほんとは河岸)沿いのプロムナードを走っているが、 天気…

「はしるぜ」

気持ちのいい朝である。 こんな気持ちのいい朝には、怠け者だって走らずにはいられまい。

「こちらは夏になりつつあります」

先週は市内観光に出かけた。 観光都市ではルーフトップのダブルデッカーが走っているのをよく目にする。 街を把握するにはだいたい2つの方法があって、この市内循環の観光バスに乗るか、高い塔や建物に登って見下ろすか、 の2通りである。 わたしはだいたい…

「始まった」

自分がある渦中にいて、それを外側から見られなかった時には気づかなかったのである。 ある渦中から離れた場所にいて、初めて気づくことがある。 そんな日だった。 これからいくつそういうことに気づいていくのだろう。 そして、 それがこの後のわたしの人生…