「広い通り」

こんなに悠々と通りを歩けるなんて。
オリンピックとパラリンピックの期間中なので、マラソンコースとその周辺が交通規制されている。
こんなことは2度とないだろう。

先月、テレビで見ていたコースを散歩しているというのは不思議な気分である。

初めてひとりで飛行機に乗って、旅をしたのはロンドンだった。
友だちとの手紙のやりとりで「わたしがこの街にいる間に、ぜひ来てほしい」と何人にも書いたが、
1年近く滞在していた間に、結局、誰も来なかった。

来いと言われて気軽に「うん、行く」と、誰もがそうそう簡単には言えまい。
そんなことにも気づかず、どうして来ないのかとわたしはずっと疑問に思っていた。

ロンドンは霧の都と呼ばれていたが、それはかつての燃料が石炭であり、
その煙がもくもくと通りを覆っていたからだと本か何かで読んだ覚えがある。

日本で見た天気予報が信じられなかったが、なるほど、信じられないくらいのいい天気である。