「大いなる遺産」

入場料が要らないのは大英博物館とナショナルギャラリーくらいだったと記憶するのだが、
いまじゃ入場料が無料の博物館・美術館がいくつもある。

まあ、それはそれでうれしい。
時間に限りのある観光客としては、質より量、という場合もあるだろうし、
何度か足を運んだことのある場所なら、お気に入りのところだけつまみ食いして帰ろう、
ということもあるだろうから。

だがしかし、これら入場料無料の博物館の維持費はどうなっているのだろうか。
ふと、考える。
無料の博物館はいずれもがかなり大型の箱だからである。
かつ、
建物それじたいがかなりの文化財であると思われるのである。

今回、もっともたまげたことは、交通費の高さである。
バスは乗車毎に2ポンド、地下鉄は4.6ポンドである。
4.6ポンド、といえば、600円前後なわけで、んなわけねぇだろっ、と叫ばずにはいられないところだが、
事実である。
一方で、オイスターというスイカみたいなチャージ可能なプリペイカードがあり、
それで乗り降りする場合には1日の引き落としの上限金額が8.7ポンドらしい。
何度乗ってもそれ以上は引き落とされないということのようだ。

観光客には期間限定の乗り放題のチケットがある。
7ポンドで地下鉄バス共通の1日有効カードを買えば、ほぼ市内のみどころはカバーできる。
つまり、
その日地下鉄に2回以上乗るなら、すでに1日有効カードを買ったほうがお得になってしまうのである。

ということは、なんとなくであるが、こういうことのお金がいろんな文化財の維持に回っているのではないだろうか、と考えずにはいられない。

あまりの交通費の高さに頭に来た場合には、貸し自転車がある。
24時間の利用費は1ポンド。
市内400カ所以上あると言われるステーションで借りて、
30分以内に他のステーションに返す、ということを繰り返せば、1ポンドで済む。

http://www.tfl.gov.uk/roadusers/cycling/14808.aspx

おもしろそうなので乗ってみたが、わりと乗りにくいバイクであった。